純情きらり

桜子は冬吾と結婚したほうがいいよ。かたおもいでもなんでもないし
「かたおもいなんて嘘だね。かたおもいでもない、気の迷いでもない、もっともっと抜き差しならんもんが二人の間にはあったよ」そのとおりだよ笛子
「だとしても終った事でしょ」それは違うよ杏ちゃん、桜子と冬吾はこれからも、これから先もずーっと絆を持ち続けるだろう。もう無理だ
「達彦さんごめんね、ほいでもあたし、やっぱり本当の事を知っといてもらいたかった。たとえ達彦さんの居らん間の事でも」っつてもな、達彦は自分の都合でどっか行ってたんじゃないもんなー出征だもんなー、たまんないよなー
「有森。桜子って呼んでいいか。桜子、寂しい思いをさせてごめんな、長い間待たせて本当にすまなかった」どこまでも謙虚な達彦、惚れた弱みで手放さないため必死です
あっというまに結婚式の日、一同に会する有森一家。おじいちゃんはあいかわらず、勇太郎は子供のまま。笛子夫婦はすっかり仲良し
桜の咲く春、桜子は輝くような花嫁となりました