文庫

『水の眠り 灰の夢』桐野夏生

水の眠り 灰の夢 (文春文庫)

水の眠り 灰の夢 (文春文庫)

草加次郎事件を追う週刊誌記者・村野の物語。
実際の爆弾魔事件にどこまで忠実なのかは、寡聞にして存じ上げませんが東京オリンピック前夜の風俗なども興味深く読了。ミステリーとしても質が高く、たいへん満足。
しかし、巻末の解説で思いがけない事実を知らされ落胆。この小説は作者のシリーズ物に登場する人物の過去譚との事。独立した作品とはいえ、シリーズ物は順番通りに読まないと気がすまない私にとっては痛恨事。背表紙か帯に書いといて欲しかったなぁ。